診療報酬と看護師の関係について

診療報酬とは、保険が適用される手術や検査、医薬品の処方といった医療サービスの対価として、医療機関や薬局などが患者である保険者から受け取る報酬です。

医療行為ごとに定められた点数によって1点10円で計算されますが、その内容は通常2年に一度改正され、厚生労働省によって告示される仕組みとなっています。医療機関にとっては、診療報酬によって利益が変わってくるため経営に大きく関わるものですが、それにより働く看護師も影響を受けています。
たとえば、看護師の配置人数は診療報酬によって決まっており、業務量に対して看護師が不足しているような状況でも医療機関の経営面から増員が難しい場合があるため、働く看護師の負担が大きい医療機関もあるのが現状と言えます。

また、2年ごとの診療報酬の改正を受け、体制や経営方針を変更する医療機関が多いのも看護師に影響を与えている要因の一つです。2006年に新設された看護基準である「1人の看護師が7人の患者を受け持つ7対1看護体制」をとっている医療機関は、高い診療報酬を得ることができるようになりました。
このような診療報酬の改正により、現場の看護師は、受け持つ患者さんの疾患が変わったり、院内での業務内容が変わったりといった影響を受け、負担が増える場合もあります。しかし、診療報酬を多く受けることができるようになった医療機関は経営が安定するため、そこで働く看護師も比較的良い条件で働くことができるというメリットもあるのです。